新年に入り寒い日が続いていますが、体調は崩されていないでしょうか。
新型コロナウイルス感染者も再び増え不安な日々をお過ごしの方も多いかと思います。
感染対策を行うとともに自分の免疫力を高め、この状況をみんなで乗り越えましょう!
今回は免疫力を高める上でもとても大切な“腸内細菌”についてのお話しです。
ここ数年で、“腸内フローラ”や“腸活”という言葉を耳にすることが非常に増えたと思います。
腸内細菌の研究技術が向上し、腸内細菌が私たちの体に非常に重要な働きをしていることが詳しくわかってきたのです。
私たちの腸内には、100兆個、重さにしてなんと1.5~2kgもの腸内細菌が存在しています。
体にとってプラスの働きをする善玉菌、マイナスな働きをする悪玉菌、優勢な菌の味方をする日和見菌の3つに分けられ、善玉菌が優勢である状態が良い腸内環境とされます。
よく耳にする乳酸菌やビフィズス菌、酪酸菌などが善玉菌の代表的なものです。
善玉菌は、食物繊維やオリゴ糖を発酵分解することで乳酸や酪酸といった“短鎖脂肪酸”を作り出します。
この短鎖脂肪酸が私たちの体に非常に良い働きをしてくれていて、腸の運動を活性化し便通を改善する、有害な菌の増殖を抑える、腸管バリア機能を高め感染を防御する、免疫反応を調整する、コレステロールを下げる、などなど様々な機能があることが知られています。
また最近の研究では大腸がんや潰瘍性大腸炎・クローン病などの炎症性腸疾患、過敏性腸症候群などの胃腸の病気だけでなく、認知症やうつ病、アレルギー、糖尿病や動脈硬化などの生活習慣病など様々な病気にも腸内細菌が影響していることがわかってきていて、腸内細菌が予防や治療に役立つことが期待されています。
一般的に、高齢になるにつれ善玉菌が減り悪玉菌が増える傾向があります。しかしながら、100歳以上の超高齢者“百寿者”の腸内細菌を調べた研究で、一般的な高齢者よりビフィズス菌が多かったということが報告されています!
善玉菌を増やす=究極のアンチエイジングかもしれませんね⁉︎
*善玉菌を増やすには?
①プレバイオティクス:善玉菌の餌となる食物繊維・オリゴ糖を摂取する。根菜類、玄米など穀類、豆類、きのこ、海藻、イモ類
②プロバイオティクス:生きた善玉菌を直接摂取する。生着しないので習慣的摂取が必要。ヨーグルト、乳酸菌飲料、チーズ、納豆、ぬか漬けなど発酵食品
③自律神経を整える:適度な運動・良質な睡眠をとる、ストレスを溜めない
*悪玉菌が増える以下の原因を避けましょう
①動物性のタンパク質や脂質の多い食事(肉、揚げ物、卵など)
②運動不足、睡眠不足、不規則な生活リズム
③ストレス
④慢性的な便秘
⑤抗生物質の過度な使用
⑥過度な飲酒
つい忙しくなると、野菜が減って脂っこいものが増えてしまったり、運動不足・睡眠不足になって、悪玉菌が増える生活習慣になりがちですよね。
『医食同源』という言葉があるように、健康を保つためには日頃の食事がとても大切です。自分の体は自分が食べたもので構成されているのです。
日々の食事を少しずつ見直し、腸内環境を整え、今年も一年健康に過ごしていきましょう!