夏が近づき過ごしやすい気候になりましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?
暑くなるにつれて、マスク生活が大変になりますが熱中症にならないよう気をつけていきましょう。
さて、今回は痔についてお話しさせていただきます。
痔のタイプは大きく分けて痔核(いぼ痔)、切れ痔(裂肛)、痔瘻と3つあります。
まず初めに痔核ついて説明いたします。
肛門部の静脈の血流が悪く、うっ血し、膨らんでこぶ状になった状態が痔核です。
痔核は発生場所により内痔核と外痔核に分類されます。
内痔核は初めに出血があるのが特徴で初期の痛みと出血、腫れは薬を使いお風呂に入ったりして炎症がとれてくれば治まります。
しかし、進行すると痔核が肛門外へ脱出するようになります、脱出した痔核がもどりにくい程度になると手術となります。
外痔核は突然血の塊ができ、腫れて痛みがあります。薬を使い治りますが、大きく痛みが強いものは血の塊を手術で取り除く必要があります。
次に裂肛についてです。
便秘などで便が硬くなると、排便の際に肛門に圧力がかかり、出口が切れたものが裂肛です。
初期には排便時の痛みと少量の出血があります。
進行すると排便後に長時間痛みが続くようになります。
また裂肛は痔瘻へ変化したり、肛門が狭くなることがあります。
その際は薬を使ったり、便秘をしないように気をつければ裂肛は治まりますが、慢性化した場合には手術が必要です。
最後は痔瘻についてです。
痔瘻は前段階として肛門周囲膿瘍という、痛みが強く、膿が多くなると熱が出る状態があります。
その後、膿が外へ排出されると痔瘻という状態に移行します。
肛門周囲膿瘍と痔瘻の場合は痛み以外に38度-39度といった高熱が出て、基本的には薬では治らず手術が必要となります。
痔になる原因としては
・便秘、下痢
・排便時のいきみ
・デスクワークなど長時間同じ姿勢
・香辛料、煙草やお酒が好き
・ストレス、肉体疲労
などが挙げられます。
煙草やお酒も原因なのか!と驚いた方も多いのではないでしょうか。
煙草に関してはニコチンに血管を収縮する作用があり、血行不良を招きうっ血して痔を引き起こします。
反対にお酒は血行を促進します。
一見健康に良さそうに思えますが、一時的に血液量が増加すると増えすぎた血液を心臓に戻す働きが追いつかず、肛門付近に血液が溜まり、うっ血して痔が発生します。
痔にならないために日常生活で注意する点は、
1便秘や下痢をしないこと
2排便は強くいきまず、短時間でする
3肛門をいつも清潔する
4長時間同じ姿勢を続けず、軽い運動をする
5アルコールや刺激物の摂りすぎをやめること
アルコールに関しては完璧にやめることは難しいと思いますが、ほどほどに気をつけましょう。
痔に良いものとしては、水分を十分に摂取したり、食物繊維が多く含まれるものは腸の動きを活発にし、便を柔らかくする作用があるのでたくさん取りましょう。
当院では、痔の手術は行っておりませんが、触診で診察することができますので、痔で悩まれてる患者様がいらっしゃいましたらお気軽にお問い合わせ、ご来院ください。
長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。