4月に入り1週間が経ち、早々に咲いた桜も散り始めてきました。
皆さまいかがお過ごしでしょうか。
新しい季節になり、仕事や進学、引っ越しなどで周りの環境が大きく変わった方が多くいらっしゃるかと思います。
生活や周りの環境の変化は、知らず知らずのうちにご自身の体調に影響を与えている場合があります。正しい食生活を心がけている方でも、なんだか胃の不調が続いている、便秘や下痢を繰り返す、などの胃腸の症状が現れてきます。ストレスや自律神経の乱れなどの心の不調も、胃腸に影響を与えることがあります。
そのような胃腸の不調は、「機能性消化管障害(FGID:functional gastrointestinal disorder)」と総称されます。
機能性消化管障害とは、消化器疾患を疑う症状が慢性的に続いているにも関わらず、症状を説明できる器質的、全身性、あるいは代謝性疾患のない症候群のことを指します。レントゲンや内視鏡検査などで特に異常が見つからないことが特徴です。
代表的な疾患として、上部消化管症状の「機能性ディスペプシア(FD:functional dyspepsia)」や、下部消化管症状の「過敏性腸症候群(IBS:irritable bowel syndrome)」があります。
【機能性ディスペプシアの主な症状】
・胃やみぞおち付近の痛み
・早期満腹感、膨満感
・食欲不振
・胸やけ
・食後のもたれ など
【過敏性腸症候群の主な症状】
・下痢と便秘を繰り返す(便通異常)
・ガスがよく溜まる
・下腹部の不快感や痛みが続く
・電車に乗ると急に便意を催す など
日本の一般成人に占める割合は、機能性ディスペプシアが約10%、過敏性腸症候群が約15%(内女性は男性の1.6倍)で、両者を合併している場合も少なくありません。
上記のような症状は薬の内服による治療でも改善が見られますが、まずはご自身のQOL(生活の質)の向上に努めることが重要です。
忙しい生活の中でも、以下の点を是非心がけてみましょう。
・食生活の見直し
ゆっくりよく噛み、腹八分目を心がけ、胃腸に負担をかけない食事をすることが大切です。
食後すぐに動かないよう、30分を目安に休憩を取りましょう。
・十分な睡眠時間の確保
・ウォーキングなどの適度な運動
繰り返しにはなりますが、多忙や環境の変化による体や心への負担は、胃腸の不調にも影響します。まずはご自身の体を労り、疲労やストレスの軽減を心がけることが、健やかな生活へと繋がります。
また、胃腸の不調を繰り返すことで別の病気を引き起こすこともありますので、ぜひ症状にお困りの方は当院の受診をご検討ください。
普段来院が難しい方に向けて、当クリニックではオンライン診療も行っておりますので、ぜひご利用くださいませ。
新年度も、どうぞよろしくお願いいたします。
※4月から診療体制が大きく変わっておりますので、当ホームページの案内をご覧いただき、ご確認をお願いいたします。