新年度を迎え、もうすぐ1ヶ月になりますね。
新しい出会いにワクワクすると同時に、慣れない環境で忙しい日々をお過ごしの方もいらっしゃるかと思います。
暖かい日も増えてきて過ごしやすくはなってきましたが、朝晩はまだ冷えることがありますのでくれぐれもご自愛ください。さて、今回のブログでは『潰瘍性大腸炎』についてお話しさせていただきます。
潰瘍性大腸炎(指定難病97)とは、大腸の粘膜に浅い傷であるびらんや、深い傷である潰瘍ができる炎症性の疾患です。
発症しやすい年齢としては、20〜30歳代の若年者に多いとされていますが、小児や40歳代以降など幅広い年齢層で発症する可能性もあるとされています。
病気の原因は解明されていません。
根治は難しく、症状が治まる『寛解』を目指して治療を行いますが、再び悪化してしまう『再燃』を繰り返すこともあり、根気強く付き合っていく必要があります。主な症状は、血便や粘液便、下痢、切迫する便意、腹痛です。他にも発熱や鉄欠乏性貧血、体重減少や食欲不振などもみられることが多いです。
病変のある範囲(直腸炎型・左側大腸炎型・全大腸炎型・右側あるいは区域性大腸炎型)や重症度によって、症状の出方も変わっていきます。採血では貧血や炎症の数値を表すCRPの上昇、赤沈の上昇が見られます。治療方法は主に薬物療法で行います。
①アミノサリチル酸製剤→炎症を抑え、予防にもなります。寛解導入・維持の基本となる薬剤で、経口薬・坐薬・注腸薬があります。
②ステロイド製剤→炎症を抑えます。副作用があるので寛解導入のみに使い、長期使用はしません。
③免疫抑制剤→ステロイドが効かない、もしくはステロイドを減らすと症状が悪化する場合に服用します。
④生物学的製剤→生きた細胞を使って作った薬です。炎症の抑制によく効きますが値段が少々高いです。
またその他にも薬物療法で治療がうまくいかない時には、血球成分除去療法や外科治療も行います。診断は大腸内視鏡検査で可能です。炎症している組織を採取する生検を行い、顕微鏡検査にて詳しく調べたのちに診断されます。炎症の原因にもさまざまなものがありますので、細菌感染によるものや薬の服用による炎症とは異なるものか、確認していく必要があります。
当院では鎮静剤を使用して、苦痛の少ない内視鏡検査を行うことができます。
お腹の症状でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
※当院は完全予約制になっております。ホームページやお電話よりご予約をお待ちしております。