こんにちは。体調はいかがですか?
最近はおうち時間が増え、自宅で調理して食事をすることが多くなっているかと思います。
そこで本日は、アニサキスについてお話します。
みなさん、アニサキスはご存知ですか?
アニサキスは、1-2センチ程度で白い糸状の寄生虫の一種です。
サバやイカ、イワシ、サンマなどの魚介類に寄生していて、生食により経口感染すると言われています。
感染したアニサキスは、胃や腸壁に侵入し、食後2-8時間後に激しい心窩部痛や吐き気、嘔吐を引き起こします。
ひどい時は、蕁麻疹やアナフィラキシーショック症状が起こることもあります。
アニサキスが移動し、仮に小腸や大腸まで侵入すると、腸にむくみを生じ、さらに強い腹痛や腸閉塞を引き起こす場合もあります。
ただアニサキスは人間の体内で生きることができず、3-4日で弱ってしまい、約7日間で死滅します。
そのため、無症状や軽い腹痛のみで気づかずに済む方もいます。
激しい痛みが起こる原因として、アニサキスが胃粘膜に噛みついた刺激とアニサキスが分泌する物質のアレルギーによる刺激だと言われています。
内視鏡で観察すると、胃の壁に噛みついているアニサキスの虫体とその周囲の浮腫状の胃粘膜を観察することができます。
多くの場合、胃内で発見されますが、まれに大腸カメラを行った際に、大腸内に観察されることもあります。
治療方法としては、胃カメラにて鉗子というピンセットのようなもので、アニサキスをつまんで除去します。
1匹とは限らないため、隅々まで探し、全て取り除いたら終了になります。
除去後は症状がほぼ治まります。
感染しないために予防としてできることは、
①60度以上で1分以上加熱もしくは70度以上で加熱する
②マイナス20度以下での24時間以上の冷凍する
③調理するときや口に入れる前に、目視で確認する
④お刺身で食べるときは新鮮なものを使い、内臓を生で食べないようにし、早期に内臓をすぐ取り除く
ことだと言われています。
酢や塩漬け、醤油、わさびでは死滅しません。
また、寄生している魚介類が死亡して時間が経過すると、アニサキスは内臓から筋肉に移動することが知られているため、筋肉内に寄生している可能性があるので、注意が必要です。
当院では基本的に胃カメラ検査は予約制となっておりますが、医師が診察をし、緊急性があると判断した場合には、即日胃カメラを行なっています。
胃カメラ=つらい・苦しい、というイメージがありますが、当院では鎮静剤を使用し、苦痛の少ない検査をしています。
もし、魚介類を食べて激しい腹痛や嘔吐が起こった時はアニサキス感染の可能性があるため、当院にお電話でお気軽にご相談ください。