過ごしやすいはずの秋ですが、気温の変化が激しい日々が続いていますね。皆様、体調は崩されてないでしょうか?
本日は、胃食道逆流症についてお話しさせていただきます。
まず、胃食道逆流症(Gastroesophageal reflux disease:GERD)とは、主に酸性の胃内容物が食道や口腔内に逆流することにより胸焼けや呑酸(酸っぱいものが上がってくるような感じ)などの症状を感じたり、食道の粘膜に炎症が起きたりする病気です。
胸やけや呑酸の他、慢性的な咳やのどの違和感、胸の痛みなどの症状を呈することもあります。
内視鏡検査により、以下の2つに分類されます。
①逆流性食道炎(びらん性胃食道逆流症)自覚症状の有無に関わらず、内視鏡検査で実際に食道の粘膜に炎症を認める状態のことです。
高BMIの方、高齢者、喫煙者、アルコールや高脂肪食の摂取が多い方などによくみられます。生活習慣の見直し(食後すぐに横にならない、減量、おなかを締め付けない等)、胃酸分泌を抑制する薬の内服により約8割に改善がみられます。
②非びらん性胃食道逆流症(non-erosive reflux disease:NERD)胸焼けなどの症状があるにもかかわらず、内視鏡検査で食道の粘膜障害を認めないものです。
約3分の2の方はこちらに分類されると言われており、症状があって胃カメラを受けたけど特に異常がなかった、という方もいるのではないでしょうか。
①と比較すると、痩せ型の方、女性、若年者、非喫煙者、真面目でストレスを感じやすい方に多いとされています。
また、内視鏡での異常がなくとも、①と同程度かそれ以上の症状を感じることがあります。
原因としては、胃酸逆流に対する食道の知覚過敏、胃酸以外の液体や空気の逆流、食道の運動機能異常などが考えられています。
治療方法は、基本的に①と同様で、胃酸分泌を抑制する薬の内服が第一選択となります。
しかし、標準量の薬で症状改善がみられるのは約5割と言われています。
症状が持続する場合は、薬の投与量や投与方法の変更、他の薬への変更や併用などにより改善率が上がります。
それでも症状の改善を認めない場合には、胃酸逆流以外の原因が考えられ、大学病院などの専門医療機関におけるより詳細な原因精査が必要となることがあります。
胃食道逆流症は、命に関わる病気ではありませんが、日常生活の質に影響を及ぼします。
胃や食道の不快な症状でお困りの方は、適切な診断や治療により解決する可能性があります。
当院では、鎮静剤を使用し可能な限り苦痛を減らした内視鏡検査をお受けいただくこともできますので、気になることがございましたらお気軽にご相談ください。