こんにちは。
9月に入りましたがまだまだ暑く、30度を超える日が続きますね。
今回は食中毒についてです。
食中毒というと夏に多いイメージがありますが、じつは1年を通じて発生するので、常に注意が必要です。
食中毒とは、食中毒の原因となる「細菌」や「ウイルス」、「有毒・有害な物質」が、食べ物と一緒に体の中に入ることによって起こる健康被害のことをいいます。
主に腹痛や下痢、吐き気、嘔吐などの胃腸炎症状が起きますが、発熱や倦怠感など風邪に似た症状や、麻痺などの神経症状が起きることもあります。
特に小児や高齢者の場合は脱水が進んで深刻な状態へ進行する場合があるので注意が必要です。
また、薬を服用することにより体内で増殖した細菌やウイルスが排出されず長期間腸内で留まることで症状が長期化し、特に毒素型の細菌に感染した場合には、腸内で菌が留まることで毒素を産生し重症化します。よって下痢止めや薬や吐き気止めの薬を安易に自己判断で服用しないよう、必ず医療機関を受診して下さい。
食中毒の発症原因は、大きくは4つに分かれます。
1. 細菌性食中毒:食中毒菌が食品の中に混入して起こる (O-157などの腸管出血性大腸菌、黄色ブドウ球菌、カンピロバクター、サルモネラなど)
2. ウイルス性食中毒:ウイルスが蓄積している食品の飲食、また、人の手を介して起こる (ノロウイルス、ロタウイルス、A型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルスなど)
3. 化学性食中毒:鮮度の落ちた魚(マグロ、カジキ、サバなど)、発酵食品(チーズなど)、腐敗した食品に含まれるヒスタミンやアミン
4. 自然毒食中毒:フグや毒キノコ、トリカブトなどの動物性・植物性の毒によって起こる
梅雨の高温多湿な時期から夏場にかけて多く発生するのが、細菌性食中毒です。また、冬場はカキなどから発生するノロウイルスによる食中毒も多くなります。細菌性食中毒とウイルス性食中毒が食中毒の原因の大部分を占めています。
食中毒はよくニュースで取り上げられるため、飲食店での食事が原因と思われがちですが、毎日食べている家庭の食事でも発生しています。普段、当たり前にしていることが、思わぬ食中毒を引き起こすことがあります。
食中毒を防ぐための3つの決まりがあります。それは、原因となる細菌やウイルスを「つけない」「増やさない」「やっつける」です。
①つけないためには
細菌は非常に小さく、肉眼で付着の有無を確認するのは困難です。調理の際には、手や調理器具、食品など、洗えるものはしっかり洗うことが食中毒予防の基本となります。 また肉や魚は細菌やウイルスが潜んでいる可能性が高いため、他の食材と分けての調理や保存を心掛けましょう。
②増やさないためには
細菌やウイルスは時間とともに増えていきます。また、温度、栄養、水分が満たされた環境を好む傾向があります。 生ものや作った料理は部屋に放置すると細菌やウイルスが増殖するため、調理後は早めに食べるようにしてください。 すぐに食べない場合は、冷蔵庫に入れたり冷凍庫で保存します。解凍時には、室温で自然解凍するよりも冷蔵庫内や電子レンジを利用しましょう
③やっつけるためには
細菌やウイルスの多くは高い温度に弱く、食材の中心まで熱が通るように加熱することで、死滅します。 加熱方法には焼く、煮る、蒸す、揚げる、ゆでる、炒めるといった調理方法以外にも、電子レンジの利用が可能です。
食中毒を疑う症状が出たら、まずは医療機関を受診しましょう。食中毒の原因菌(ウイルス)により治療方法が異なりますので、いつ何を食べたか、どのような症状が出ているのかを医師に伝えましょう。
食中毒と診断された場合は、ほとんどが対症療法(整腸剤、水分摂取、安静など)で治癒することがほとんどです。
また、アニサキスが疑われる場合は胃カメラが必要となる場合があります。下痢が続く場合では原因検索のため、大腸カメラが必要となることがあります。
お困りの方は一度、当院へご相談ください。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。