こんにちは。
朝晩と日中の寒暖差が激しく、体調管理が難しい季節になってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今回は「過敏性腸症候群」についてお話させていただきます。
【概要】
過敏性腸症候群とは精神的なストレスや自律神経失調が原因となり、慢性的な腹痛、便秘、下痢などの症状が出る病気です。英語表記の「Irritable bowel syndrome」の頭文字をとって「IBS」とも呼ばれています。胃腸科では多くみられる病気で、10人に1人が経験すると言われています。特に、2~30 代の女性に多い傾向です。
【症状】
主な症状としては、腹痛や腹部の違和感、便通異常(便秘、下痢)が長期間続いたり、便秘や下痢を繰り返したりします。その中でも、症状により「便秘型」「下痢型」「混合型」と3つのタイプに分けられます。
① 便秘型
排便時に腹痛が起こり、強くいきまないと便が出ない、ウサギのようなコロコロした便しか出ない、残便感などの症状が現れます。また、排便時にいきむ癖がついてしまうと、いぼ痔や切れ痔の発祥や悪化にも繋がります。女性に多くみられます。
② 下痢型
激しい腹痛とともに、水のような便が出る下痢が1日に3回以上起こります。急に症状が現れるため、外出に対して恐怖心を抱き、その不安やストレスから更に症状を悪化させてしまうことも少なくありません。若い男性に多くみられます。
③ 混合型
激しい腹痛とともに、便秘と下痢を繰り返します。特に多くみられる症状は、3~4日排便がなく、硬い便が出た後、下痢が1日に数回起こります。便秘型と同じく女性に多くみられます。
【原因】
はっきりとした原因はいまだ不明です。しかし近年の研究において、ストレス下や緊張、不安な状態が続くと、腸の動きが過敏になり痛みを感じやすくなることで、過敏性腸症候群の症状が現れるといいます。他にも、食物アレルギー、乳脂肪分の多い食品など、消化に負担のかかるものが引き金になる可能性もあると考えられています。
【治療】
過敏性腸症候群の治療法には「薬物療法」や「生活習慣の改善」があります。
① 薬物療法
主に便の水分バランスを調整する薬、症状を緩和させる薬を処方します。便秘型の患者様には、便を柔らかくする薬や下剤を、下痢型の患者様には、腸の動きを改善する薬や下痢止めを処方することもあります。患者様一人ひとりの症状やお悩みを聞いたうえで、その患者様に合った薬を処方できるよう心がけていますので、お気軽にご相談ください。
② 生活習慣の改善
食事、運動、睡眠などの生活習慣の改善が大切です。いくつかご紹介いたしますので、過敏性腸症候群の患者様のみならず、生活習慣の改善が必要な患者様は参考にしていただければと思います。
*3食をなるべく同じ時間にとる
*食物繊維(バナナや海藻、キノコ類など)と水分をよくとる
*刺激の強い香辛料やカフェイン、アルコールは控える
*適度な運動を習慣化する(ストレッチやウォーキングなど)
*最低6時間の睡眠を心掛ける
【最後に】
過敏性腸症候群は生命にかかわる病気ではありませんが、生活の質の低下を招くリスクがあります。今回ご紹介しました薬物療法や生活習慣の改善により、症状を軽くすることは可能ですので、症状でお困りの患者様はお気軽にご相談ください。
当院は予約制となっておりますので、WEB またはお電話にて予約をお願いいたします。
これから本格的な冬が始まりますので、皆さまお体にお気をつけてお過ごしくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。