こんにちは。
春が訪れ桜もとても綺麗に咲き誇ってお花見シーズンではあるものの、まだまだ寒い日や新型コロナウイルスのニュースで不安が続いております。
外出ができずもどかしい日々が続いておりますが、みなさまは体調崩されずお過ごしいただけていますでしょうか?
さて、本日は「アニサキス」についてお話ししたいと思います。
みなさまはアニサキスをご存知ですか?
なんとなく耳にしたり、目にしたことはありますでしょうか?
アニサキスとは、本来クジラやイルカの消化管の中に生息する線形動物の幼虫です。
この幼虫が人体に入ることで、急激な腹痛を来します。
その幼虫がどうして人間の中に入ってしまうのかは自然界の食物連鎖が関わっています。
クジラやイルカの排泄物がオキアミによって食べられ、それを皆さまがよくご存知のカツオやイワシ、サバ、スルメイカなどが餌として食べ、それらをお刺身やお寿司として生で食べてしまうとアニサキスの幼虫が人体に取り込まれ、体内の中で成虫にはならず消化管の粘膜に刺入してしまいます。
こんな症状があったらアニサキス症が発生しているかも?
・みぞおちに強い痛みを感じる
・お腹に張りを感じる
・ひどい吐き気を感じる
上記の症状が当てはまる方は、アニサキス症の可能性があります。
アニサキスは基本的に人間の体内は好適ではなく生息できないため、通常は数日ほどで症状は治まりますがまれに症状がひどくなる可能性もあります。
現在のところ、アニサキスに対しての効果的な駆虫薬はなく、アニサキス症となった場合は内視鏡検査にて鉗子を用いて摘除することが一番の治療法であります。
市川すずき消化器・内視鏡クリニックでは胃カメラ検査・大腸カメラ検査を行なっており、当クリニックでは鎮静剤を使用し、苦痛をやわらげ、不安なく検査を受けていただけるように努めております。
アニサキスの予防をするための注意事項としては、アニサキスが潜んでいる可能性の高い魚の摂取をさけることです。上記のカツオ、イワシ、サバ、スルメイカの他に、アジやホッケ、タラやハマチなどが挙げられます。
これらの魚類を生で食べることをさけ、熱処理(60℃で1分以上過熱)するとアニサキスは死滅します。
また生で食べたいこともあると思いますが、その際はよく咀嚼して召し上がっていただくことが予防につながります。
それでもアニサキス症になってしまったら、胃カメラを用いて消化管粘膜上の虫体を確認次第、器具を使用して摘んで取り除きます。
取り除いた後は劇的に症状が消失します。
当クリニックでも先日アニサキスの患者さんがいらっしゃいました。
前日にしめ鯖を召し上がったそうです。
もし、アニサキス症や胃に関することで悩んでいる方がいらっしゃいましたら、お気軽にお電話のご相談お待ちしております。
みなさまもアニサキスに気をつけつつ、お魚料理を楽しく味わいましょう。