こんにちは。
コロナウイルスによる外出自粛によって自宅で座っている時間が長くなっていませんか?
座りっぱなしによって起こる体への影響のひとつとして、「痔」があります。
今回は痔についてお話させていただきます。
痔とは、肛門と肛門周辺の病気の総称です。「日本人の3人に1人は痔に悩んだことがある」といわれ、症状が出ない方まで含めると成人の半数が痔であると考えられています。
たいへん身近な病気のひとつです。
直立歩行をする私たち人間は、おしりが心臓よりも低い位置にあるため、肛門付近がうっ血しやすく、痔になりやすい傾向にあります。
痔には、痔核(いぼ痔)、裂肛(切れ痔)、痔ろう、の3種類があります。
痔患者の男女比は3:2程度と、男性が多くなっています。
半数以上を占めるのが痔核(いぼ痔)です。
これには男女差はほぼありません。
痔核は、直腸や肛門部分の血行が悪くなり、毛細血管がうっ血してイボ状の腫れができた状態です。いぼ痔には、肛門内側にできる「内痔核(ないじかく)」と、肛門の外側にできる「外痔核(がいじかく)」とがあります。
女性に多いのが裂肛です。
裂肛とは硬い便や太い便が通ったことで肛門の皮膚が切れたり避けたりした状態で、排便時に痛みと出血があります。
女性は便秘気味であったり、妊娠・出産でお尻に負担がかかりやすく、裂肛になりやすい傾向があります。
男性に多いのが痔ろうです。痔ろうは、直腸と肛門の境目のくぼみから細菌が侵入して感染し、細菌の侵入口と膿の流出部分までが1本のトンネルのように貫通した状態です。
膿が溜まり急性の炎症を起こしたものを肛門周囲膿瘍といい、強い痛みや腫れ、発熱を伴うこともあります。
直腸粘膜側の組織には知覚神経が通っていないため、肛門内側にできる内痔核では痛みを感じないのですが、肛門から入ってすぐの所は知覚神経が多く通っていますので、裂肛や外痔核には痛みを感じます。このように痛みの有無で痔のおおよその位置がわかります。
痔になる主な原因としては、「便秘」や「下痢」、「排便時のいきみ」「座りっぱなし」などがあります。たとえば、便秘などで便が硬くなると、排便の際、肛門に圧力がかかり肛門周辺の毛細血管がうっ血して痔核ができたり、皮膚が切れて裂肛になったりします。
また硬い便が肛門を傷つけそこから細菌感染を起こすこともあります。
痔の治療には、その病態や進行度により手術が必要になるものもありますが、初期段階で食生活や排便などの生活習慣を整えることが大切です。
症状の悪化を防ぐため便秘や下痢を改善することが基本となります。
補助的な役割として緩下剤の内服や座薬や軟膏などの外用薬の薬物療法を用います。
肛門疾患は早めの治療がとても大切です。
いずれの痔も、少々の痛みの場合は我慢してしまい、そのまま放置してしまっている方がいるのではないでしょうか?特に女性はなかなか相談しにくい面もあると思います。
痔を放置すると症状が悪化するだけでなく、痔かと思っていたら大腸がんやポリープ、他の肛門疾患だったということもあります。
そのため少しでも異変を感じた場合は悩まずに受診することが大切です。
当院では、診察時に肛門鏡を使って検査をすることが可能です。気になる症状がありましたら、お気軽に当院にご相談ください。
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