disease疾患

2020.07.05

若い女性にも多い虚血性大腸炎って何?

こんにちは。梅雨明けがひたすら待たれる頃ですが、みなさまはいかがお過ごしでしょうか。
さて本日は、虚血性大腸炎についてお話しします。

虚血性大腸炎とは、何らかの原因で大腸への血液の流れが悪くなり、循環障害が起こることによって生じる病気です。
一時的に血圧が下がってしまったり、動脈硬化によって血流が低下することなどが原因として考えられます。
運動不足やストレス、脂っこい食べ物も原因といわれています。
ご高齢の方に多い病気といわれていましたが、最近では若い女性も多く発症しています。
原因として、慢性的な便秘や高血圧、脂質異常症、糖尿病などの病気をお持ちの方は、かかるリスクが高くなるといわれています。
また、脱水も虚血性大腸炎を発症する危険性を高めると考えられています。

虚血性大腸炎の典型的な症状として、急な強い腹痛(多くは左下腹部痛)、血便(便に血が混じる)、下痢(水のような下痢)が起こります。
その他の症状として、冷汗や発熱、嘔気、嘔吐が生じることもあります。
虚血性大腸炎は突然発症することが多く、予兆と言えるような初期症状はありません。

虚血性大腸炎の治療は、いわゆる「腸管の安静」です。
ほとんどの場合は絶食(食事を一時的にやめる)と点滴による治療により効果があります。

虚血性大腸炎に似た症状を引き起こす病気には、感染性腸炎、憩室炎、潰瘍性大腸炎、クローン病などがあります。
そのため、これらの病気を除外し診断する必要があります。

虚血性大腸炎の診断を確定するためには、大腸カメラを行う必要があります。
大腸カメラを行うことにより、特徴的な所見を確認することができるためです。
多くはS状結腸という部分に縦走する発赤の所見を認めます。
この所見は病状の改善とともにきれいに治ります。
また血液検査により、白血球や炎症反応の上昇を認めますが、この病気に特徴的なものではありません。

最も診断に有効な大腸カメラですが、検査前に下剤を服用する必要があります。
また、検査に伴う苦痛や検査後の腹部膨満感により、苦手意識を持っている方が少なくありません。
そのため、検査に対して不安の強い方も多いかと思います。

当院は、できる限り患者様の苦痛を抑え、ご負担なく検査をお受けいただけるよう、日々取り組んでおります。
また院内で下剤を飲むことのできるスペースもあり、女性医師による大腸カメラも行っております。

気にかかる症状をお持ちの方は、ぜひお気軽に当院へお問い合わせくださいませ。

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