胃ポリープ
ポリープとは、イボのように表面が隆起した形状の病変で、胃にできるものを『胃ポリープ』といいます。特に自覚症状は無く、胃カメラ検査などの健診で見つかることが多いです。
胃ポリープは、形によって粘膜下腫瘍型、無茎型、亜有茎型、有茎型に分類されます。過形成ポリープは癌ではありませんが、大きくなったり、出血をすることがあるので注意が必要です。
胃炎やピロリ菌感染があると、胃ポリープが発生しやすいと言われています。
胃ポリープと胃がん
ポリープの一部を内視鏡で切り取り、生検でがん細胞かどうかを調べることが可能です。
過形成ポリープの多くは、ピロリ菌感染により萎縮性胃炎が発生することで発症します。
また、胃底腺ポリープは2㎝以上の大きさになるとガン化する報告例もあります。
胃がんは、ピロリ菌感染により萎縮性胃炎が進行することで発生すると考えられています。ピロリ菌の除菌や胃ポリープの切除を行うことで、がん発症のリスクを抑えることができます。
治療法
ポリープの大きさが1㎝以下であれば、治療せず経過観察で問題ありませんが、腺腫の場合は、定期的に胃カメラ検査で経過観察しましょう。
大きさが2㎝以上の過形成ポリープや腺腫の場合は、内視鏡による切除をします。 急に大きくなるポリープも、切除の対象となります。
内視鏡によるポリープ切除は、入院の必要が無く検査と同時に行うことができます。切除後は、医師の指示に従い安静にお過ごしください。
コールドポリペクトミー
特殊なスネアをひっかけて、電流を通さずにポリープを切除します。
出血や穿孔などのリスクが少ない治療法です。
心臓ペースメーカーや金属製ステントを留置している方や、抗血栓薬を内服されている方も安心して行える切除法です。
内視鏡的粘膜切除術
平坦なポリープを切除する場合、粘膜下に薬液を注入してポリープを浮き上がらせてからスネアをひっかけて電流を用いて焼き切る方法です。
薬液を注入することで、高周波電流を流した時に筋肉より深い層に通電するのを防ぎます。出血の程度によっては、医療用クリップで止血処置を行います。
予防法
- ストレスを溜めこまない
- 規則正しい生活を心掛ける
- 香辛料など刺激の強い食事を控える
- アルコールを控える
食事の時は、よく噛んで胃の負担を軽減しましょう。
特に治療の必要がない方でも、定期的に胃カメラ検査を受けることが大切です。